「おんぶしてあげるから。咬まれないよ。」
「飛びかかってくるかも。」
「自分からは攻撃してこないよぉ。」
「冬眠から覚めたばっかで、動きは鈍いんじゃない?」
「ほら、大丈夫だよ。」
ミーはミミの前で腰を落として屈みました。
少しためらってから、ミミはおぶさりました。
「そのまま山肌を伝わって行って。」
「蛇は動いてないよぉ。」
ミミはミーの背にがっちりしがみ…
プーは音のするあたりでカメラをズームにしてみました。
枯葉と桜の花びらの積もる地面に、模様のある蛇がいました。
「蛇だった。」
プーはつばをごくりと飲み込んでシャッターを切りました。
「見せてぇ。」
プーはメーにカメラを貸しました。
「これはマムシだねぇ。」
「えーーーーーー!毒があるじゃん!」
「もう引き返そうよー…。」
「でも今から引き返したら暗…
カサカサッ
「あれ?」
「どうしたのぉ?」
「何かいるかも。ちょっとみんな止まって。」
「どうかした?」
「しっ!」
しばらくしーんとしていましたが、プーが足を動かすと、また足元で何かがカサカサ言いました。
「やっぱり何かいる。良く見えないけど。」
「蛇じゃないかなぁ?」
「えーーーーーー!」
ミミはミーに後ろからしがみついて震えだしました。
「…
春の金丸登山道は、雪で倒れた木もそのままに荒れ果てていました。
「枯葉が滑りやすいから気を付けて。」
「キャッ!滑っちゃった。」
「言ってるそばからー。」
枯葉で道が埋まっていて、だんだん進路がわからなくなってきました。
「こっちかな?」
「登山道って言うからにはルートがあるんだろうけど…。」
「下っていけばふもとに出れるんじゃない?」
「迷ったらごめんね。」…
第2駐車場から車道を下っていきました。
「見事な杉並木だねぇ。」
「杉植えすぎるのは問題だけどね。」
「みんなは花粉症大丈夫なの?」
「違うよ。」
「大丈夫ぅ。」
「ちょっと目がかゆいけど。結膜炎だから。」
「やばいんじゃない?」
少し行くと、「金丸登山口へ」の標識がありました。
「ここ通ってみようか?」
「え?これ道なの?」
「地図を見ると車道よりこっちが…