桜満開の公園中通りに戻り、雑踏の中をお散歩です。
「何日も前に満開って言ってたけど、結構長持ちしてるね。」
「寒かったからかな?」
「すごい人だねぇ。」
「もう遅いのにねぇ。」
「夜寂しい人には、こういうの良いよね。」
「寂しい?」
「うん。今日はメーが来てるから良いけど。」
「私は一人でも平気かな。今はコニーがいるけどね。」
「ソボ、ビョーイン、サミシイ。」
「…
屋台の間をぬって奥の東照宮まで行くと、もう門が閉まっていて真っ暗でした。
「夜は終わっちゃうんだ。」
「残念。」
「あそこにぼんやり見えるのが五重塔だよ。」
「写んないね。」
「だめだね。」
スマホで写真を撮ろうとしていた人たちが、がっかりしていました。
「ちょっと待って。」
ミミがカメラの露出を上げて撮っていくと、桜の中に五重塔が浮かび上がってきました。…
「あ、鮎の塩焼きだって。今ちょうどこういうの食べたかった。」
「甘いのの後に良いね。」
「いらっしゃーい。炭であぶってからお出ししますよー。」
「1つください。」
「600円です。」
他のみんなもつられて買いました。しばらくあぶっているのを眺めています。
「これはどこで獲れたアユですか?」
「愛知の養殖ですよ。」
「天然なわけないじゃん。」
ホカホカに出来上…
9時半頃、上野東照宮大石鳥居の向こうから屋台が煌々としているのが見えて来ました。
「屋台まだやってるぅ。」
「もう閉まってるお店もあるねぇ。」
ミミが鳥居を指さしました。
「トリイ、オジギ。」
「ハイ。」
皆でお辞儀をしてから鳥居を潜りました。
「クリスチャンでもこういうの良いのかな?」
「ローマ法王が伊勢神宮に参拝したこともあるよ。」
「そうなんだ…
公園中通りまで来ると、見事な桜のライトアップと宴会する人々。
「ハナミ!」
ところどころ注意事項を書いた看板があります。
「8時過ぎたから、ぼんぼりが消えてたんだね。」
「宴会は8時まで…って言っても、まだやってるね。」
「盛り上がってるねぇ。」
「お酒臭いねぇ。」
「あー、あそこイチャイチャしてる。」
「春だしね。」
「私達も何か食べたくない?」
「屋台…