「ねぇ…。」
ミーがお盆を吟味している間にナイショ話です。
「今月ミーの誕生日だから、あの印鑑みんなで買ってあげない?」
「ちょうど良かったわ。何をあげようか迷ってたの。」
「良い思い出になるね。」
ミーがゴヨウツツジのお盆とハマナスのレースのハンカチを買っている間に、
みんなは別の店員さんから印鑑を買いました。
「あ、ごめん。待たせちゃって。」
後ろ…
順路の終わりの方にお土産売り場があります。
「さっき日光彫のお盆の見本見て欲しくなったんだ。あるかな?」
「どなたの”おしるし”のにするの?」
「えーっとね…、あ、この印鑑良いな。」
「一文字なんだね。」
「みさんぽの「美」があった。…でも高いからいいや。」
手掘りの印鑑は3000円でした。
お盆は2200円で、縁が丸くて持ちやすくなっています。
「それにするの?…
「期間限定で3階の御展望室を開放しています。」
田母沢御用邸の3階に上がると、窓から大きなしだれ桜が見えます。
「昨日まで桜吹雪がすごかったんですよ。」
「まだハラハラ散ってますね。」
「毎年いつごろ満開になるのですか?」
「今年は遅かったのですが、例年は4月15日頃です。電話で聞いていただくのが一番です。」
「桜回遊には含まれてなかったけど、この桜もすごそうね。」
…
日光田母沢御用邸記念公園は、江戸・明治・大正の建築様式を伝えてくれます。
「畳の縁は踏まないでください。手荷物で障子などを壊さないようお願いします。」
注意しながら見学を続けていると、謁見所で説明を受けている人がいました。
「天井は格天井になっていて、和風建築としては高くなっています。」
「洋風っぽくもあるわね。」
「畳にじゅうたんを敷いた和洋折衷だって。」
…
「午前中だけどちらほら人がいるね。」
御用邸の入場料は510円で、お庭にも入ることができるようになります。
「飲食はご遠慮ください。写真撮影は構いませんよ。」
「カート預かってもらえますか?」
「はい。番号札をどうぞ。」
靴は靴箱へ、手荷物はロッカーに入れて、先に進みました。
「和室にシャンデリアっていうのも良いね。」
「縁側だー。」
「ちょっとみんなで座…