餌をまきながら進むゆ~みんフック号にカモメの群れが付いてきます。
「なかなか寄って来ないわね。」
「私も手からあげたかったけど、もういいや。」
ミーとエルがかっぱえびせんをどんどん投げる横で、マカコはかっぱえびせん1本差し出し、じっと待っていました。
「カモメさーん。」
「茶色いトンビが混ざることがあります。トンビの鋭い爪でつかまれるとケガするので気を付けてください…
「水深が深くなってきますので、魚が見えなくなります。」
「海の底も綺麗だねー。」
「このままここにいらっしゃっても結構ですが、地下は船酔いしやすいです。」
「デッキも行ってみようよ。」
「名残惜しいけど、デッキも楽しいだろうね。」
階段を上っていくと、デッキの中央と周りにぐるりと座席がありました。
「良い風ね。」
「ほんとにねー。やっぱり海は広いねー。」
「気持ち…
「青いちっちゃいの可愛いねー。」
「ソラスズメダイっていうのか。」
展望窓の上に写真が貼ってあって、魚の名前がわかるようになっています。
「あとはメジナとスズメダイね。」
「大自然の一部なんだねー。」
「うちの金魚がちょっとかわいそうになってくる。」
「海には天敵もいるわよ。」
「そうだけどね。」
「でも仲良く泳いでるね。」
「違う種類でも群れになるんだね。」
…
「気を付けてお乗りください。」
魚を見ることができるのは、水深が浅いところなので、先に地下の海中展望室に下りました。
「お魚たくさんいるわね。」
「わー。」
ガン
ミーがカメラを壁にぶつけてしまいました。魚が逃げていきます。
「あ…。」
「もう。気をつけてよ。」
「ごめん、ごめん。ほら、だんだん戻ってきたよ。」
「これより出航します。救命胴衣は椅子の下に…
藤井先生が乗ったバスは伊東駅を目指して出発しました。
(ここまで1円も使わずに済んだ。晩御飯はミーちゃんの家で作ったら、お小遣い手つかずで持って帰れそう。)
マカコは水筒にホテルの水道水で麦茶を作っていました。
「私、これからクルーズの取材しようと思うんだけど、交通費じゃないから…。」
「マカコさんどうする?」
「私は、いいや。」
「じゃあ、私たちはこの辺をお散歩…