マカコさんの磁器婚式~ミーがたどった伊東うみさんぽ

「うみさんぽしながら旅館行こー。」 「飯はどうする?」 「スーパーで買ってこ―。」 駅から左に行くと海です。 「すげえ風だな。」 「真っ暗だけど波の音がするねー。」 「海、良いな。」 「良いわね-。」 時々車は通り過ぎますが、歩道には誰もいません。 「おい、荷物持ってやるよ。」 (手つなぎたいけど…。) 恥ずかしくて言えないのでした。 「向…

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マカコさんの磁器婚式~夜の伊東駅

マカコさんと旦那さんは結婚20周年。 娘のミカコちゃんが、お年玉貯金から伊豆大島旅行をプレゼントしてくれました。 「そんなのいいのに…。」 「このくらいの貧乏旅行、バチは当たらないよ。」 家でお昼を食べてから出発。 栃木の自宅近くの駅から青春18切符を使い、小山で熱海行きに乗り換えます。 「良いお天気で良かったねー。」 「おお。」 やがて空はサーモンピンク…

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マカコさんの磁器婚式~1年ぶりの電話

携帯の無料通話枠が余ったマカコさんから電話がありました。 「マカコさん、久しぶり。」 「エルちゃん、お腹おっきくなったよー。遊びに来ないのー?」 「行こうと思ってたとこで。」 「じゃあ、七夕にしたら―?織姫神社。」 「良いですね。エルに連絡しなきゃ。」 「ねーねー、伊東さんぽ役に立ったよー。3月にお父ちゃんとねー、伊東から大島行ったのよー。」 「わー、良いなー。」 「…

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ミーの天城越え~締めのカキ氷

ミーは陽気の良い日を待ちわびていました。 「プー、今日ジョギングから帰ってきたらカキ氷にしない?」 「うん。小田原で買ったシロップでしょう?楽しみ。」 お店で食べるカキ氷と違って氷は荒いのですが、シロップは上等です。 「おいしいでしょ?みかんは熱を加えてシロップにしてもさわやかさが失われなくて良い。」 「頑張って持って帰った甲斐があったね。」 「クーが一緒だったら…

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ミーの天城越えのあと

(ブナの花粉ちゃんと採れてたかなあ。) 藤井クリニックの休診日に藤井先生が電話をくれました。 「落ちてた花からよく花粉が取れたわよ。」 「良かった。スライドガラスにはついてましたか?」 「ええ。3粒ね。」 「3粒…。」 「それで、伊東には天城からブナ花粉が飛んできていないようだとわかりました。」 「あ、研究の役に立ったんですね。」 「それからね、ミーさん、八丁池の…

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