川の向こうに田んぼが見えてきました。
「やっと田んぼまで来れた。」
「ずいぶん回り道したからね。」
田んぼの手前に木の橋があります。
「あ、この橋、和服と合うんじゃない?写真撮ってあげようか?」
「後でいいよ。ちょっとあそこに座ってていい?」
橋を渡った所の木の杭に一人ずつ座りました。
「ここも日陰だったらいいんだけど。」
「ミー、電車だよ。」
…
「「緑のヘルシーロード」まで来ると、ようやくお散歩道って感じだね。」
緑が深くなってきて、ツクツクホーシとコオロギが鳴いています。
「ベンチとか全然ないね。」
「もう一時間半くらい歩いてるよね。」
「木陰の所もあるし、さっきよりはだいぶ楽だけどさ。」
川辺に大きな木がありました。
「わあ、何の木だろう?」
「ここでちょっと休もうよ。浴衣じゃ座れないだろうけど…
サイクリングコースの上を通る通船堀大橋に差し掛かりました。
「橋の下が日陰になってるからちょっと一息付けるね。」
「田んぼは全然見えない…どっかに地図ないかな?」
さらに進んで、交差点になっている橋まで来ると、地図がありました。
「芝川で「農」を体感するルートかあ。」
「芝川沿いに南下して、新芝川から荒川までサイクリングコースになってるんだね。」
「見沼通船堀公園…
ミーも橋の上へ。
「帽子を飛ばされないようにね。」
「うん。芝川、真っ青だねえ。」
「これだけ快晴だとね。」
橋の真下の水は濁った緑で、ゆっくり流れていきます。
「行こっか。」
橋を渡り、川上へ。
学校を通り過ぎました。
「散歩の途中でテニスの音って楽しいね。」
「日比谷公園行った時も聞こえてきたよね。」
「そうそう。あー、いい道だけど日陰なくてつ…
ヨークマートで500g入りのロックアイスを買いました。
「スーパーに来ると涼めるね。」
「トイレも寄ってこう。」
外に出ると、看板に川口市の文字が見えました。
「川口市ってどこ?」
「さいたま市の南だよ。北東に向かおう。」
炎天下、住宅街を2人で氷をなめなめ進みます。
「暑い。早く川ないかな。」
「すごくいいお天気だよね。」
「空がずいぶん青いよね。…