右手に神田川の合流を見てすこし行くと袋小路でした。
「階段で道路に出なくちゃね。」
月が見え、またすぐ隅田川沿いに行けました。
「橋がいっぱいあるよね。」
新大橋を過ぎました。
「わ!」
道の真ん中の段差でミーがこけました。
「大丈夫?」
「うん。夜はこういうのが危ないね。」
「知らない道だとね。お年寄りには夜さんぽは勧められないかも知れない…
キラキラしている夜の隅田川をお散歩していくと、そよっと涼しい風が吹いてきます。
「月が首都高で隠れちゃったなあ。」
「そのうちまた見えるんじゃない?」
浅草を過ぎると、ベンチで夜を明かす人がみられるようになってきました。
「やっぱ夜女2人で散歩できるようなとこじゃなかったね。」
「うん、ちょっとね。」
「まあ、ジョギングの人よりホームレスの方が怖いって思うのも偏見…
吾妻橋を後に。
「なんかいいよね、夜の屋形船。」
「風情があるよね。」
「あ、ベンチ。座ってこうよ。屋形船も吾妻橋も見える。」
ちょっと後ろを歩いていたブチさんも、黙って座りました。
「うさちゃん食べてから30分しかたってないけど、お団子食べれるでしょ?」
「ありがとう。」
ペコリ
鶴屋吉信の月見だんごは、お団子を帯のようにこし餡が包みます。
「赤福…
「ちょっと川が生臭いような気がする。」
「そうかな?」
「うーん・・・、気のせいかな?浅草だね。」
「月がずっとランドマークの側にいてくれるよね。」
「十五夜とアレの写真が撮れる。」
カシャ
「夜、初めて見た。」
「私も。」
グワッグワッ
「わ。鳥、どうしたんだろ?」
「川沿いのお散歩は色々ハプニングがあるね。」
吾妻橋まで来ました。
「人…
河原で木簡楽器の練習をしているのがきこえてきました。
「いいとこ通りかかった。」
「いいね、クラシック。お月見さんぽが盛り上がるね。」
「もっとみんな練習してればいいのに。」
「ミーは家で音楽聴かないけど、外で聞くと喜ぶね。」
「聴くのは好きだけど、音楽にお金かけないことにしたの。」
「節約のため?」
「いくら音楽聴いても、私はほとんど作れるようにならないから。」
「…