インフォメーションセンターを指す道標頼りに上っていきます。
「山道って股関節が伸びるね。」
「伸びる伸びる。」
「やっぱりストレッチしておくんだった。2人とも足は大丈夫?」
「うん。絶対筋肉痛になりそうだけど。」
「下が土だと膝にいいねえ。温泉で着替えるの面倒だからサポートスパッツはいてこなかったんだけどさあ。」
上りきったところでどちらに行けば良いかわからなくなりました…
出会便所の先は登る道と下る道。
「上るのやだなあ。」
下って行きます。
「クモの巣があるから気をつけて。」
くっついた枯れ葉がクルクル回っています。
カタカタン・・・
「向こうで工事してるね。」
「あ!なんか笛の練習も聞こえる。」
その先の東屋に木管楽器と男性1人。
(キー!)
キーのリュックを小突くミー。
(いいってば。)
…
出会いの広場から下りて。
「出会便所・・・。」
公衆トイレの前面に「出会便所」と書いてあります。
「ズボンで手拭いてる人に「ハンカチ貸しましょうか?」ってさあ・・・」
「汚い!」
「ハハハ。クーがズボンで拭いちゃう人だったんだよねえ。もうしてないと思うけどさあ。」
「トイレで出会いなんて。誰もいないけど。」
「さっき女性が1人入って行ったよ。」
「あっ、じゃあ…
少し小高い出会いの広場。
「誰もいない・・・。やっぱね。」
下では。
「どうだろね?どうだろね?」
「ずっと下で待つの?」
「やっぱ行く。」
ミーにしては足早に上っていきます。
「キー!」
キーが1人ポツンとベンチに座っています。
「泣かないでキー!」
「そこまで悲しくないよ。」
「さっき後ろから来る人がいたけど、ここには上って来ないんだ…
「あれが出会いの広場みたいだね。」
ザクッ、ザッ、カサッ・・・
落ち葉踏みしめ歩きます。
「あそこにキーの運命の人が・・・!」
「誰もいないでしょう?」
「ドキドキしてきた。あっ!石のパーゴラがギリシャの神殿みたいじゃない?」
「アハハ!ミー、盛り上がってるね。」
「さ、キーが先に、キーが先に。」
なんだかキーもわくわくしてきます。
(誰もいないだ…