河川事務所の前で。
「あ、ちょっと読んでみましょうか。」
「なぁにぃ?」
「福生水辺の楽校だって。」
また観ているクニさんが口をはさみます。
「あー、こういうのプーにぴったり。」
「あんただって無理に悪びる必要ないのよ。」
「みんな孝行娘だって知ってますよね〜。」
ジーンとするハル君。
「児童向けのアクティビティが盛んなようですね。」
「ネイチャー…
走る花見配信、観て飲み食いする豆腐処の面々。
「あの高いの何だろね?」
「河川を管理してるんでしょうな。」
国土交通省の京浜河川事務所、多摩川上流出張所です。
「アハハそうに決まってるよね、アタシなに言ってんだろ。」
「べ、別に… じょ、女性は…」
「女性は?」
「女性は美しければ!」
「アッハハハハ!ウケる。」
お姉さんは低い声で、
「家族が導い…
五日市線の先で。
「サイクリングロードが二股に分かれてしまいましたね。」
「どうするぅ?」
「桜あるから右行こ!右行こ!」
右を行くと…
「あ、こちらは歩行者向けの遊歩道のようです。」
「ゴメン、ゴメン。」
それを観ている豆腐処では。
「迷ったりもなさるのね。」
「群馬の花見なんか迷って反対方向にずっと歩いてたんだよね〜、ママ〜。」
「群馬のどこへ…
「五日市線をくぐりますよ。」
「自転車利用者の皆様へ 堤防の上の道路を通行してください。 福生市」
「あ、自転車はこちらのようですね。」
「こういうのちゃんと読まないとねえ。」
「そうだねぇ。」
「こないだ母と旅行でさあ。」
「どこぉ?」
「ちょっと東海道をさあ。」
「ふぅん。」
「エレベーターの貼り紙読んでなくってさあ、人数制限あったのにさあ。」
「ふぅん。…
「この多摩川左岸のコースは「たまリバー50キロ」と呼ばれています。」
上流へ走りつつ、坂でUターン。
ハァー、ハァー、ハァー…
カートで子供を引いて走るお父さん。
「上の子けっこう大きいのにねえ。」
ワイド画面で観ている豆腐処のお客さん。
「すぐどっか行っちゃうから運んだほうが早いのよ。」
「大人でも乗れそうだね。」
「あれ相当積めるそうですよ…