「それでは下山します。」
「地面がふかふかだねえ。」
「こんにちは〜/ぁ。」
「こんにちは〜。」
「平日ですがお花見とハイキングにまあまあの人出です。」
「いい天気だしぃ。」
ホーーホケキョ
「なんかさあ、さっきさあ、シロ君みたいな人が…」
「ミー、カメラとマイクお願い!」
追いかけるプー、ざわめく豆腐処。
「これドラマなんですか?」
「違いますよ〜…
「標高197mの低山ですが、まだ風が冷んやりしています。」
「今日は誰と来てるの?」
「今年は去年と同じですよ〜。ミーさんとメーさ〜ん?」
「登ってみてどうだった?」
「ちょっと膝にきそうかなあって思ったらねえ、登頂してましたねえ。」
「ヒグマがいなくて安心でぇ。」
「どれが不倫の人?」
「ニシさん、ペラペラ喋んないの。」
「違うわよ!」
「あんたが大きい声で話してたの…
天覧山、山頂展望台より。
「西が富士山方面。朝方、入間市からはよく見えましたが…」
「はいカメラ、カメラ。」
「ラクダのコブのような馬頭刈(まずかり)山の向こう、ぼんやり白くなっているのが分かりますか?」
「わかんなぁい。」
「ズームして下さ〜い。」
ズームup!
「真っ白ね!」
「あら、富士山?」
「よかったらお席でどうぞ。」
明日は「降りな…
ピーンポーンパーンポーン…
「遠いぃねぇ。」
「どこだろねえ。」
「豆腐処のみなさんこんにちは。天覧山の山頂からお花見ライブ配信始めさせて頂きます。」
「えっ、もう頂上!?」
「ミー、撮ってくれる?」
「オッケー、オッケー。」
「あ!サクラ咲いてますね〜。」
「はい。飯能河原はもっとすごいですよ。」
「あー私も行けばよかった。」
「ゆっくり眠れてよかったじゃないの…
正午前。
「そろそろ山頂です。映ってますか?」
豆腐処恒例となった、お花見ライブ配信。
「はいは〜い。飯能の桜はどうですか〜?」
「散り始めだけどきれいだよ。」
「ちょっと、プー!」
「久しぶり、クニ。」
「私も夜の飯能をちょっとずつさ…」
「チーの方からそのうち連絡してくると思う。」
「探したいってねえ、気持ちだよねえ。」
「心配ぃ?」
「ちょっとはさ…