「ボク知〜らない。」
「なんかさあ、また不都合なことかなあ?」
「フクさんは随分と勘がいい様ですな。」
「フ、フクさんの母方の遠縁は神職なんです!」
「御神託か〜。」
「パパのミスじゃなくて?」
「フクさんの超能力みたいね。」
「敵を知り己を知れば百戦危うからず!こうしちゃいられない、お先に失礼します!」
「では、今後もどうぞよしなに。」
三角点を過ぎて下山して行き…
スマホをいじり出すフクちゃん。
「どしたの?どしたの?」
「チリ先生にメールよ。」
ブーッブーッ…
「チリは返信早いよねえ。」
「ビンゴ!」
「フクさん…」
「この方ですね?」
……
「誰それ?誰それ?」
「人事じゃなくてHRって言うのね、ホーンさんよ。」
明日も続きます。
「薄謝ですけどねえ、動物写真のお仕事ならねえ。」
「それ!そう言うのしたかったのよぉ!」
「ただのねえ、インスタ代行みたいなもんですけどねえ。」
名刺を探してゴソゴソ…
「一眼レフ買って、旭山動物園にも行くわよパパ!」
「デジタル一眼だろう?」
「じゃ、初詣して来るわぁ。」
「ではまた〜。」
「ねえ、ツノさんの…」
「わーっ!!」
「そっちの貴方まで何?」
…
(他でもご近所さんバッタリ出会ってるなあ。)
「クラさん、お土産はぁ?」
「や〜、もう帰って来ちゃってね〜。」
「それは良かった。」
「パートで雇ってよぉ、秘書でいいからぁ。」
「有閑マダムの奥様が何故パートなんか。」
「働いてないの、私だけなのよぉ。」
「私も専業主婦ですよ。」
「小さい娘ちゃんがいるじゃないのぉ!」
「お宅ももうひとり。」
「やだぁ、セクハラよぉ!…
オホッ、オホン!
フゥ…
「またねえ、空気読めてなかったですかねえ?」
「あらお揃いで。」
「あけましておめでとうございます。」
「おめでとうございます。」
「そろそろお開きかしら?」
「ちょっと待っ…」
「クスッ、いかにも理系な。」
「ちょっと。」
「賢そうって言ってんの。」
明日も続きます。