初日の出きものさんぽ～貴重なシーンに喜ぶ

コンクリ塀にもたれて、波の音を聞きながら、クーの腹痛がおさまるのを待っていました。

「あ、雲が消えて水平線が見えて来たよ。最初から晴れてれば良かったのに。」

帰りに近道を見つけました。

駅に近付くと、拡声器でしゃべる駅員さんの声が。

「上り電車混雑しております。ただいま８時１６分の電車に乗り切れない場合があります。８時４５分の電車も併せてご利用ください。」

駅前ステージでは、電車を待つ人のために賞品付きのイベントをやっていました。

「しばらく横になりたい…。」

クーが構内の椅子があるところの隅で横たわろうとしたので、ミーは携帯座布団を差し出しました。

「具合の悪い人がいるんですけど、医務室とかないでしょうか？」
「ないですね。ベンチでお休みして頂ければ…。」

ベンチはふきっさらしなので構内の床で小一時間安静に。
そして９時４６分の電車に座れました。

（あれ？クーがいない。）

ニコニコして戻ってきたクー。

「今列車のプレートが、「はつひので」から「はつもうで」に変わるとこだったよ。」

他にも喜ぶ鉄の人がちらほら。

「元気でて良かったねえ。でも、やっぱり私もアメリカに行った方が良いんじゃないかな？心配になってきた。」
「あのさ、実は老後一緒にみさんぽ運営したいと思ってるんだ。だから、今ミーはみさんぽ頑張って欲しい。」
「ああ、それは素敵だね。」

景色が山と畑から住宅地に変わっていくにつれ、車内が混雑してきました。

明日は「初売りに立ち寄り」です。