箱根・伊東みさんぽ～プロローグ前編

梅雨に入ったというのに、ほとんど雨も降らないので、近所のいつものコースをみさんぽしていたエル。

「マカコさん、こんにちは。」
「エルちゃん、みさんぽ見てるわよ。お散歩はタダで良いわー。」
「あ、そうだわ。今取材の協力者探してるんですけど。箱根と伊東の。」
「（箱根！）でも、お金かかるのは…。」
「ただのみさんぽじゃなくて、取材なので交通費は出るんですが、箱根1泊の宿泊費はかかるんです。」
「ふーん、お得ね…。お父ちゃんと相談してみるわー。」

マカコは夫と娘に相談してみました。

「お母さん、節約も良いけど、たまには羽を伸ばしてきたら？」
「行って来いよ。今日ネットでセールあるから、俺がホテル予約してやろうか？」
「ミーさんに聞いてみるわー。」

ミーとエルと相談し予算を決めて、マカコが予約を担当することになりました。

「混みすぎでなかなか繋がらなかったけど、２時間粘って予約取れたぞー。」
「あらー！こんな高そうなとこ、予算内で収まったのー？」
「何とかな。部屋で温泉に入れるから、温泉好きのお前にピッタリだ。」

マカコさんの夫は、マカコに小さな包みを握らせました。

「これはあんたのお小遣い…。」
「３千円しかないけど、手ぶらってわけにもいかないからな。」
「お父ちゃん…。」

明日はプロローグ後編です。