長かった階段もあと少しです。
「もう階段は終わりかしら。」
「地面に下りるとホッとするね。」
ミーを先頭にクマザサの間を縫っていきます。
ガサッ
「キャーッ!」
「何?どうしたの?」
「あそこ、なんかいる。」
「ヘビはもう冬眠したんじゃない?」
「違う。哺乳類みたい。気配が。」
「ちょっとしばらく静かにしてて。」
(逢ノ峰でも夏にクマが出たってレストハウスの掲示板に書いてあったけど…。)
もう風が草木をそよぐ音しかしません。
「本当にいたかはわからないけど、もういっちゃったんじゃない?」
「絶対いたから。」
「あんな声出したら逃げてくわよ。」
「興奮して襲って来なくて良かったね。」
明日は「逢ノ峰登頂」です。
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