さらに奥に進むと、左側の茂みの隙間から、光が漏れてきていました。
「あ、あそこ有名な露天風呂なんでしょう?ライトアップされてるわね。」
「草津三湯の一つで、西の河原露天風呂って言うんだよ。」
「母さん達が行く予定だったな。」
そう言って、旦那さんはプーの方を見ました。
「プーさんごめんな。母さん感じ悪くて。」
「本当はとっても良い方なんだけど。」
「いえ。私の方こそなんか…。」
「お母様って、プーみたいなまじめな人は好きそうだけど、なんか気まずくなっちゃったね。」
「ちょっと、口に出して気まずいとか言っちゃうと、本当に気まずくなっちゃうでしょ。」
「喧嘩ってほどのことでもないけど、なんか良い感じにならないかな。」
「あ。」
19時55分、西の河原露天風呂のライトが落ちました。
「時間が解決してくれるだろ。」
暗闇に、旦那さんの言葉が溶けていきました。
明日は「わずかな明かりを頼りに」です。
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