少し進むと、林道との分岐点に差し掛かりました。
「ベンチあるけど、休んでいられないね。」
「さっきあいさつした人は、先に行ってもう見えないし、バスは諦めた方が。」
「でも日が暮れても困るし、ブチさんが行けそうなら先急ごう。」
コクリ
段差のある細い道をさらに下りていきます。
「ミー、左側滑りそうだから、右側から下りた方が良いよ。」
木の左右に道ができているところがあります。
「わかった。」
「違うよ。ミーから見て右側。」
ふと見上げると、空が薄暗く感じました。
(怖い道だけど、早く下りなきゃ。)
頑張って下りるものの、4時を回ってしまいました。
「ごめん。もうバス間に合わないや…えー!こんなの下りるの?」
プーとブチさんが待っていたところにはハシゴがかかっています。
「私が先に下りるね。」
プーはさっと下りると、ブチさんの荷物を下で受け取りました。
「怪我してる左手は使わないようにしてください。」
ブチさんは右手で梯子をしっかりつかんで、一歩一歩下りました。
「こんにちはー。」
ミーがもたもたしていると、後ろから人がやってきました。
「あ、私、時間かかるんで、お先にどうぞ。」
前向きにヒョイヒョイと二段ベッドの階段みたいに下りていきました。
「ミー、ゆっくり下りたら大丈夫だから。」
ハシゴにギュッとつかまって、後ろ向きに下りました。
「あー、怖かった。さっきの人凄かったね。」
「真似したら危ないよって言おうかと思ったけど…。」
「するわけないじゃん。あの人ストック持ってなかったね。」
「上級者っているんだね。」
山の仕事なんて無理だな、と思ってしまったプーでした。
明日は「ほっと一息」です。
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