ミーの天城越え～バスに間に合った

「右にも道があるけど、こっちから下りてきたら怖くなかったのかな？」
「ホテルに戻ったら調べてみるよ。ブチさん、県道まで出てからタクシーで帰る感じで良いですか？」
コクリ

ずいぶん下りるのが楽になって、スイスイ進みます。

「水の音が大きくなってきたね。」
「水生地って書いてたから、水の豊かな所なんだろうね。」

道の脇に滝があったりしますが、のんびりと見ているわけにもいきません。

「あれ？戸締りされてる。」

橋の所にゲートがあって、封鎖されています。

「下り行幸歩道の終点です。ゲートをくぐり県道へお進みください、だって。」
「潜りにくいなあ。荷物多いと大変だよ。」
「あ、ミー。ゲート及びカギを壊すなって書いてるよ。」
「慎重に通んなきゃ。」

ゲートの先は分岐になっています。

「どっちだろう？左は上りだから行きたくないなあ。」
「あ、人が下りてきたよ。」
「だったらこっちだね。」

しばらく下りていくと、車の音が聞こえてきました。

「もうすぐだね。」

県道に差し掛かりましたが、右側がすぐカーブになっていて、見通しが悪く、ビュンビュン車がやってきます。

「今までで一番怖いよ。」

ブチさんが左の方に移動してからすっと車道に出て、手招きしてくれました。

「あ、バス停があるよ。」

もしかしたらと思ってバス停へ。

「まだバスあるよ。」
「やった！間に合った。」

八丁池口バス停からくるバスは16時10分が最終ですが、河津駅からくるバスは17時5分のと17時50分のがあり、17時50分のバスに何とか間に合いました。

「ブチさん、タクシー呼ぶよりバスの方が早そうですが、バスで良いですか？」
コクリ

中学生の下校時間に被っているようで、途中からバス停に停まるごとに乗ったり降りたり騒がしかったのですが、ミーは夢うつつでした。

明日は「二日目の備え」です。