4時前に渡良瀬橋へ。太陽が西の空をヒヨコ色に染めながら沈んでいくところです。

「ここから上流の眺めはいいね。自然が深くて。」
カシャカシャ

「ここは日の入り頃よく写真撮る人来るのよ。」

「駅の側とだいぶイメージちがうね。」

「あれ白鳥じゃない!撮って撮って。」

「どこ?」

「右の向こうの、ああ、飛んでっちゃった。」
橋を渡り切って待機してると、

「森高千里さんのファンですか?」
と土地のイントネーションで聞かれました。

「あ、特別そうってわけじゃないんですけど。」

「いい歌ですよね。」
確認するとすぐ去っていきました。

「メロディーはきれいだけど、思い出にしちゃうって根性足りなくない?」

「ミミは自分がうまくいったから・・・。」

「今度御主人の話もゆっくり聞きたいわ。」

「私は思い出さえないよ。ずっとそういう生活に満足してたけど・・・」
目の前で川がザーと流れ、後ろから連休の交通量で車の轟音が聞こえてきます。

「ミミを見てるとワクワクしてくる。」

「ミミの夢のお店か。」

「ミーよりヒロインらしいんじゃない?」

「私ちょっと向こうでも撮ってくる。」
ミミは少しずつ場所を変えて写真を撮っていたのですが、キーの話を聞き終わると下流の方まで走っていきました。

「雲がかかってるから目に優しいね。」
ミーとエルとキーも時々写真を撮っています。
ミミが息を切らして戻ってきました。

「やっぱりこの辺が一番いいみたい。」

「あ、飛行機雲。」

「わー。」
カシャカシャ

「秋は夕暮れね。」
今度は雁の群れです。

「わー、盛り上がるなあ。」

「いいでしょ?」
河原に降りて写真を撮る人も。
入日寸前にカップルが一組駈けつけました。
4時半前、日が沈みかけてきます。

「寒くなってきた。」

「そろそろ行きましょうよ。織姫神社からも夕焼けが見えるわよ。」

「クレヨンしまうから待って。」
うす紅にけぶる夕日を後にしました。
明日は「織姫神社からの夕日」です。
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