8時に佐原行の電車に乗り、人気のない車内で福豆を取り出しました。
「落ちてた豆の袋汚れているでしょ。買ったお豆あげるよ。」
皆で夕食前のお腹を落ち着かせました。
「福豆で お腹膨れる 年になり」
「ありがちー。」
「俳句の本読み始めたんだけどなかなかね。」
「ミーちゃん、帯占いやってみたら?」
「忘れてた。」
~鹿島の帯占い~
願いが叶うようお祈りします…
帰りは参道をお散歩して鹿島神宮駅へ。
少し行くと、右手に鹿島立ちの顔出し看板が。
「鹿島立ちって何だろう?」
「旅立ちのことよ。旅行の無事を祈る神様でもあるから。」
「みさんぽにぴったりね。」
「去年のお寺の節分祭と比べて思ったんだけどさ、神社ってやっぱりお寺より日本的だよね。」
「何よ今更。」
「神道の方があっさりしてるわよね。」
「去年聞いた節分向けの読経、すごく…
当たりくじを交換するために、景品渡し所へ。
「11等から20等はこちらです。」
「何等?」
「19等。」
しばらく行列に並んで、かっぱえびせんの小袋を貰いました。
「段ボール入りのものを貰ってる人もいるね。」
「そんなの持って帰れないし…。」
「ミーなら持って帰りそうだけど。」
「お帰りに、神様にお参りしていくようお願いします。」
「お参りしていきましょ…
6時25分。
「まだまだ数の方ご用意しております。慌てずにお待ちください。」
迷子のアナウンスもありました。
「あ、カノさん。無事だった?」
「ほら。」
豆の袋を掲げました。
「私も。」
ミーも豆の袋を見せました。
「あら、ミーちゃんの当たりくじがついてるじゃない。」
「うん。ラッキーなのかな?」
エルも二人を見つけて、豆袋を見せながら…
カノは押し合いへし合いに恐れをなして、早めに後ろの方に逃れていました。
お守り売場にもたれて、豆を奪い合う人々を呆然と眺めています。
(ああ…、私は争いに敗れたんだわ。)
その時、人の手にはじかれた豆の袋が、カノの足元に落ちました。
(負けたわけじゃなかったのかしら?)
そっと豆の袋を拾いました。
(そうだ。おみくじ開けてみよう。)
”小吉 争い勝ち…