吾妻川の上流に向かってお散歩しています。
「桜があるけど、こっちはまだあんまり紅葉してないね。」
「あ、バッタがいるよ。あー、逃げちゃった。」
少しずつ、川のザーザー流れる音が強くなってきました。
「クーは電車に乗りたがるけどさ、バス旅行は休憩時間にお散歩できて良いね。ここのちょっとした川さんぽ、良い発見だった。」
「うん。川の水が澄んでて、底の石が見えるよ。」
…
ホテルニュー紅葉は9時半チェックアウト。
ロビーでのんびりしてから、10時半発のバスで草津を発ちました。
「1時間10分で田吾作に着きます。そこで40分の休憩です。」
田吾作で降りた時、温かい温泉まんじゅうを試食させてもらいました。
「お昼休憩って言っても、ご飯にしたいほどお腹空いてないや。」
「私も。あんまり食欲ない。」
「バスから吾妻川見えてたけどさ、田吾作の…
草津最後の朝も、眺めの良い部屋のベランダで清々しい空気を吸って始まりました。
「昨日より紅葉が進んだみたいだね。」
「あ、腰が痛くない。登山もゆっくりなら腰痛くならないみたい。」
「ストック使ったのも良かったかもしれないね。」
7時から朝食ブッフェです。
「おはようございまーす。あれ、エルは?」
「まだ寝てる。」
「昨日寒かったけど、風邪ひいちゃってませんか?」…
西の河原公園の遊歩道から出た車道では、暗がりを時々車のヘッドライトが照らしていきます。
「太ももが張ってきた。ホテルのサンダル、いっぱい歩くと疲れる。」
「私も疲れたわ。明日はみんな筋肉痛ね。」
道路の向こう側の茂みがガサッと音を立てました。
「キャッ!獣がいる。」
「人のはずないわよね。」
「もっと小さい気配だったな。」
「タヌキかな?」
「タヌキならここに…
西の河原露天風呂に残る灯が遠くなるにつれ、遊歩道に点々と設置されているわずかな明かりだけになります。
「このまま進めば、昼間通った道に出るはず。」
「こんなに暗いんじゃ、夜のお散歩はオススメできないわね。」
「月のない夜だしね。」
「もうちょっと早めに来て、向こうの入り口から帰るのがベストだな。」
車道を目指してお散歩していくと、分かれ道になっていました。
「どっ…