湯畑から商店街を5分ほど軽く上っていくと、西の河原公園入口にたどり着きます。
「暗いと流れの音が際立つね。」
夜の園内に湯川の流れがザバザバと響いています。
「日光の夜もそうだったわね。」
「もう7時半で、閉園まで30分だから、人気がないね。」
「デカい足湯独占できるぞ。」
入ってみることにしました。
「熱い。」
「ジャバジャバいってるところから離れて…
湯滝向かって右の階段を上りきると、ライトアップされた湯気の立つ湯樋がよく見えました。
「この幻想的な輝き、何だか地獄みたい。」
エルがミーを小突いて、小声で言いました。
「プーの気持ちも考えなさいよ。」
プーには聞こえていました。
「エル、いいから。「サイノカワラ」とか、結構この辺地獄になぞらえてあるよね。」
「そうね。あ、徳川八代将軍御汲上之湯って書いて…
足を拭いて、足湯滝の湯から出ました。
「次は西の河原公園ね。」
「そこの焼肉屋さんの横の細い路地を上っていくか、階段上ってから平坦な道を行くかだけど。」
「階段もライトアップされてるから上ってみましょ。」
湯滝向かって右の階段を上ることにしました。
「こっちから湯滝を見ると、湯滝の木の部分がはっきりするね。」
「湯樋って言うんだよ。」
「「ゆどい」って「湯通り」…
湯滝前の足湯滝の湯を見ると、ちょうど入っていた人たちが帰るところでした。
「エル、あれ入ってないでしょ。入ろうよ。」
「入りましょ。ミー、予備のタオル貸してあげるわよ。」
座ってのんびり湯滝の良い眺めを満喫できます。
「今日は山でうっすら日焼けしたけどさ、すぐ温泉に入れたからお肌に良かったかもね。」
「火傷にも効くって浴場に書いてあったよ。」
「ストック持ってたら…
湯けむり亭を後にして、湯畑東側の階段に差し掛かりました。
「ここも和風の通り道になってるわ。素敵ね。」
「踊り場から湯滝が見えるよ。」
踊り場に下りて、柵越しにのぞき込みました。
「かっこいいな。」
「記念写真撮ってる人が多いわね。あ、帰って行ったわ。」
「急ごう。」
ミーが駆け下りて場所を確保しました。
「そんなに急ぐことないのに。」
「空いてきた…