人心地つき、気を取り直すミー。
「抹茶飲もう、抹茶飲もう。」
「もう12時半過ぎたよ。」
天守閣登城口の方から南入口へ下りて行きます。
「でもさあ、キー、慣れちゃえばさあ…」
「なに遣り手ババアみたいなこと言ってるのよ。」
「ミーが泣きながらミミに連れて来られた時ね…」
「ああ、高1の春にねえ。」
「私、ちょっとデート?して…キスされそうになって逃げて来たとこで……
玉砂利に足を引きずり歩きます。
(なんか言わなきゃ!なんか言わなきゃ!)
エルを盗み見ようとしたら目が合ってしまい、慌てて視線を逸らします。
(ミー、お茶店にも反応しないのね。)
「ううっ…」
ミーは泣き出してしまいました。
「泣くほど変なことかな?」
「それは違うんじゃない?」
「私、役立たず、役立たずで…」
「役になんか立たなくていいよ。」
…
わりと人気の猿小屋。
「こっちがすいてるわよ。」
「猿が少ないじゃん。」
「すくまで待とうよ。」
「こっち来い、こっち来い。」
「ちょっとは見えるじゃない。」
人が退いてきました。
「毛づくろいしてるねえ。」
「交尾もするよね…」
「急に何言ってんの!」
「キー、それが嫌だったのね。」
「えーっ!」
キーは否定しませんでした。
明日は…
階段を上って常盤木門をくぐり。
「ハー、ハー、着いた着いた!」
本丸広場です。
「疲れたぁ。」
「散々走った後だしね。」
「あれ?天守閣、天守閣…」
「あっちに決まってるじゃない!」
「松で隠れてるね。」
「そっかそっか。」
「あれは猿小屋よ。」
「ああ、そう言えば猿がいるって…」
「ゴーゴー。」
明日は「毛づくろい」です。
銅門をくぐり、NINJA館(歴史見聞館)を通り過ぎ。
「広いね。」
「お城いいよねえ。クーも喜ぶし、また行きたいねえ。」
「キーはお城とお寺どっちが好き?」
「え?…どっちだろ?」
「そんなさあ、抹茶オレとほうじ茶オレどっちが好き?みたいなこと聞かれてもさあ…」
「それはほうじ茶オレ。」
「私は抹茶オレだわ。」
「私はお茶って甘くないのがさあ…」
常盤木門が見え…