小田原駅、東西自由連絡通路。
「ほうじ茶のフラペチーノとラテかあ。」
「階段を見て欲しいな。」
「Oh!」
「クーはねえ、好きだよねえ。」
「格好いいな。」
カシャ
「クーも写れよ。」
「写真はあまり…」
「ミーも一緒に。」
「てっぺんで、てっぺんで!」
カシャ
明日も続きます。
「裏小田原、楽しんで頂けましたか?」
「ええ、とても。」
「もの好きな妻を持ったものだ。」
「HAHAHA!」
標識「小田原駅西口 870m」の方へ下って行きます。
「学校があるのね。」
「平日ならねえ、賑やかなんでしょうねえ。」
少し下って、
「百段坂という階段です。実は131段ありますが。」
「HAHAHAHA!」
階段を降り、坂を下り、城山中…
「海なんか見えないけどなあ。」
「丘に人がいるな。」
1ヘクタールの公園に、犬のお散歩する人ひとり。
「また上るのか。」
「これくらいゆるい坂がねえ、たぶんねえ、ヘルシーなのでねえ。」
「レイだってお散歩させたほうが調子いいのよ。」
「犬かよ。」
「HAHAHAHA!」
ガサッ、ガサッ、地面の枯葉を踏んで行き、
「海よ!」
「城も見える。」
「わあ!…
坂を上り切って。
「あ、大堀切の西堀なのかあ。石積んであるもんなあ。」
その案内板となりに、
「ゆりかごのうた?」
「白秋作詞の子守歌です。」
「ああっ! 「白秋童謡の散歩道」なのかあ!」
いくつも案内板を見落としていて。
「そんな歌詞だれでも書けそうだけどな。」
「HAHAHAHA!」
「あんまり白秋白秋言ったからさあ、 嫉妬だったりしてさあ。」
…
「城山公園に沿って時計回りに進んで、東に行けば小田原駅です。」
また北へ上ります。
「もう足が痛くて痛くて!」
「同感だ。」
「後ろの足を、こうやって、前の足に添えて歩くと、足が休まりますよ。」
「面倒くさいけどなあ。」
「やってみましょうよ。」
「先に出す足は変えていいのか?」
「ご自由に。」
出して添えて、出して添えて…
「ブハハ! なんか笑っちゃ…