「外、暑そーだなー。」
「でもミドリのお気にの天神様、行ってみたいな。」
「近所ってだけどなー。」
夕方、お散歩に。
「ここ中学ー。ぜんぜん友達いなくってさー。」
「私……ハル君と不倫になったら、昔の友達に絶交されちゃった。」
「……」
大通りを渡り、公園を過ぎ。
「これ天神橋なー。」
天神様に近づいて行くと、ミドリの気持ちが引き締まります。
…
次の日曜は晴れて。
「こんにちはぁ。」
「いらっしゃ〜い。」
三枝のマネで。
「オレの部屋で食おうぜー。」
「ミドリちゃんのイケズ〜!」
よくばりプレートモーニングとリプトンでブランチを。
「暑いのに小1時間漕いで来てくれてスマンなー。」
「でも楽しかったよ。」
「あ、こんど電動自転車で足利花火大会行くって話になってさー。」
「足利!? すごいね。…
とは言え、チーに切り出しにくいミドリ。
「……」
オフィスでお弁当の2人。
「ミドリ、元気ないね。」
「やー、梅雨だしなー。」
「運動不足になっちゃうね。」
「晴れならチーん家、環七から行けるのになー。」
「でも、今度は私がそっち行く?」
「おー!父ーちゃんがウザくねーかなー?」
「おじゃまだろうし、お散歩しようか?」
明日も続きます。
グループチャット続き。
“ねえミドリ、チーも(参加者で)誘ったらどうかしら?”
“あー……”
ミドリもチーの不倫を100%応援できる訳ではないのです。
“でもさあ、チーは彼のこと好きなんだからさあ。”
“あら、またロマンス脳的発言が始まったようね。”
“チリ、ちょっと最近キツくない!?”
“ミーがゆる過ぎるんでしょ。”
“チーは電動アシスト自転車持ってるの?”…
夏至の、みさんぽグループチャット。
“婚活の夕べ at 足利花火大会、参加者とスタッフを募集するわ。”
“私も手伝うの。”
“花火かあ。”
“ミーも来るでしょ?「菖蒲の板挟みさんぽ」の次のネタにしなさい。”
“足利まで自転車で行ってみたかったけどさあ、真夏にかあ。”
“花火いーなー。”
“ミドリは参加者として行くべきでは?”
“えーー!?”
“ミドリにはハル君がいる…